頭金の額によって異なる予算と金利
■頭金の額によって購入物件の予算が増える
住宅購入時に頭金を用意するという方が多いのは、その用意できた額によって購入できる物件の幅が広がるという利点があるためです。
ローンというのは、その人の収入や予想できる支出を算出した上で「いくらなら滞ることなく返済ができるか」ということが基準になって融資額が変動します。
頭金を1000万円用意した場合、4000万円の住宅を購入する時のローン返済分が3000万円で済むというのが一般的な考え方ですが、反対に、本来4000万円のローンを組める人が1000万円を頭金に出すと5000万円の物件を購入することができるという考え方もできます。
頭金をいくら用意するか考えた時に、購入予定物件やローン返済予定額の何割という算出方法ではなく、無理なく返済できるローン額にプラスするという意味で考えることも可能なのです。
もちろん、頭金だけではなく印紙代や登記などに必要な分もありますし、新しい住宅へ引っ越す際には家具家電の購入もありますから、自己資金は頭金にそれらのお金を含めた分の用意が必要になります。
■頭金の用意額によって金利にも影響がある
頭金の有無、額によってローン時にかかる金利にも影響が出るというのはあまり知られていないのではないでしょうか?
これは全ての金融機関がそうであるということではありませんが、一部では頭金が購入物件の何割になるかで金利を引き下げるという金融機関が少なからずあるのです。
3000万円物件を購入し満額ローン返済する人と、4000万円の物件を購入し1000万円の頭金の用意がある人とでは、同じ額を借り入れるにしても頭金がしっかり用意できている人の方が貯蓄ができる計画性があるという点から信用度も上がりますし、審査もその分通りやすくなるという印象の違いが見られます。
頭金の用意がなくても金利は変わらないという金融機関もありますし、審査が通らないというわけではありませんが、頭金が多いほど頭金がない場合に比べて将来的な金額の差が目に見えて出てくるということになります。
頭金に限らず、貯蓄のできる家庭環境がある方がもしもの時にも対応がしやすくなりますので、まずは家計のことを考えるということも大切になります。