住宅ローンで低金利の変動金利を選んだ場合、金利が上昇してしまうリスクに備えて様々な対策を行う方も多いかと思います。
中でも、住宅ローンを返済する際にあえて固定金利での返済額を用意し、そこに生まれた差額を貯金することで万が一金利上昇してもリスクが抑えられるという「つもり貯金」を行っている方も多いのではないでしょうか?
つもり貯金は本当に変動金利上昇リスクを避けられるのか、調べてみました。
■つもり貯金は効果あるの?
固定金利のつもり貯金では、金利が上昇した時に備えますが、もしも10年ごとに金利がアップした場合、最初の10年間は変動金利の方が低金利だったとしても、11年目からは変動金利の方が高くなる恐れがあります。
万が一そうでなくても借り入れ期間が長ければ長い程金利上昇のリスクはあるということです。
その中で固定金利のつもり貯金を行っていると、最初は固定金利と変動金利の差額が出てくるため貯金することが可能なのですが、もしも変動金利の方が固定金利を上回ってしまうと貯金ができなくなってしまいます。
変動金利が高くなった分貯金から引いていけば負担は少ないですが、それでも長期間金利上昇が続くような場合は、負担する額の方が大きくなってしまうでしょう。
■つもり貯金で総返済額の軽減にはつながらない
つもり貯金は返済額の負担を少なくしているだけであって、利息自体の軽減にはつながりません。
利息軽減から総返済額の軽減につなげるためには、固定金利との差額を貯金ではなく、繰り上げ返済をしていった方が良いと言えるのです。
繰り上げ返済で元本を減らしていき、借入期間が短ければ短い程、利息負担も減らすことができ、金利が上昇したとしても問題ありません。
リスクに備えて貯金をするのであれば、少しずつでも繰り上げ返済していく方が金利上昇リスクを避けられると言えます。
つもり貯金を行っている方や、これからつもり貯金を始めようと考えている方は、ぜひその分を繰り上げ返済にまわしてみてはいかがでしょうか。