住宅ローンを借りている際に、他の住宅ローン商品で低金利のものがあり、返済負担額の減少がみられる場合は、借り換えを行うことも有効な手段と言えます。
ただし、借り換え時には新規申込時と同様に、審査を受けなくてはなりません。
しかも借り換えと新規では基準が少し変わってしまうのです。
どうして借り換えと新規で基準が変わるのでしょう?
■借り換えと新規、基準が変わるのはどうして?
まず、基準が変わってしまう理由の一つに挙げられるのは、物件の資産価値が下がってしまっているという点です。
不動産は年々経年劣化していくことで資産価値も下がっていってしまいます。
例えば最初は2000万円で購入した家でも、3年もすれば1500万円に、10年も経てば半額となる1000万円にまで落ちてしまいます。
しかし、10年でローンの返済が残り半分になっているかと言われればそうではないのです。
この時点で借り換えを行うと物件の担保価値が足りていない状況になります。
■各金融機関の対策
各金融機関では担保価値が落ちてしまった物件でも、他の金融機関から移ってきてほしいと思っているので担保価値への審査は甘く評価されます。
その分、個人信用情報などを駆使し信用的な審査は細かく、厳しくチェックしていきます。
審査基準が変わってしまうのは、この2つの点が変わってしまうことを意味しているのです。
■住宅ローン借り換えは個人の信用に関する審査が厳しくなる
住宅ローンの借り換えを行う場合、新規申込時とは異なり担保価値に関する評価は甘くなりますが、個人の信用に関する審査についてはとても厳しくなってしまいます。
では、個人の信用に関する審査ではどのようなところで審査されるのでしょう?
・返済負担率
新規申込みをする際に返済負担率は35%以上にならなければ大丈夫と、借入可能になった金融機関は全体の7割程度とかなり高い割合となっています。
一方借り換え時の返済負担率では、30%以下でないと借り換えできないところがほとんどです。
・返済が遅れてしまったことはないかどうか
一度でも住宅ローン返済が遅れてしまったことがあるという方は、借り換え後も返済が遅れてしまうのではないかと危惧され審査に落ちてしまう可能性があります。
ただし、審査する時は24ヶ月以内の返済遅延がないのかをチェックするので、それ以前に関する返済遅延がないかぎり安心できます。
・年収
年収はおよそ300~400万円以上の人なら借り換えすることができるでしょう。
ちなみに新規の場合は200万円以上の年収でも大丈夫です。
・勤続年数
新規の場合2年以上なら許容できるのですが、借り換え時は勤続年数3~5年でなければ借入は難しいです。
そのため住宅ローンを借りる前に仕事を辞めてしまうと勤続年数が途絶えてしまうので気を付けましょう。
このように、個人の信用に関する審査が借り換え時には厳しくなってしまいます。
厳しくなった点をチェックし、借り換え時審査に落ちてしまわないようにしましょう。